読んだ。(ISBN-13: 978-4569845999)
学んだ
ピラミッドの下側にある「具体」は情報量。具体的になればなるほど限定的な知見。
ピラミッドの上側にある「抽象」は質、知恵。幾つかの具体例から抽出される法則や概念。ただ、抽象化の方法はその目的によって異なる。抽象化とは目的に応じて都合よく特徴を抽出すること、目的が違えば抽象化の結果も異なる。
具体に強いのは物知り、イメージしやすい。抽象のスキルは分かりづらい。抽象的に考えれる人にしか抽象概念は分からないマジックミラー。
折り曲げの法則も興味深かった。好きの反対は無関心、みたいな話。嫌いの例にアンチを挙げると、ターゲットに対しエネルギーを注いでいるという点において好きの方のファンと同じ方向にある。
アナロジーは抽象的に覚知した法則を、別の似た概念やドメインに適用すること。類推。
活かせること
具体性と抽象度のバランス
仕事の頼み方、頼まれ方の例がまさにそう。上司や部下がお互いにとってどういった具体性・抽象度の期待を求めているのかという視点で仕事を捉え直す。
「具体 → 抽象 → 具体」の根本的課題解決
現実の事象を具体的に捉え、一度抽象化して根本的課題を追求(Whyを問う)した後に、具体的な解決策に発散させる(Howを問う)。
「具体 → 具体」は場当たり的な表面上の解決。「抽象 → 抽象」は机上の空論。
感想
哲学とか抽象的な思考に耽るのが好きなので、無意識にやっていたことの言語化といった感じでスッキリした読後感。
ついでで読んだ、キャリアは具体と抽象の螺旋階段を登ることで築かれるのではという話 が結構刺さった。
キャリア形成の初期は、具体的な経験を沢山積んで行き学びを抽象化していく。
抽象化した学びを自分の強みとしさらなる具体的な経験をしていき、より大きな組織のレベルに視座を上げて行き抽象的な課題を解決できるようになり、その最終的な例がCEOなどの「xxな社会を実現する」のようなスーパー抽象的なミッションを掲げること。
最近は別プロジェクトに参画したり、具体的な経験の数が少しずつ増えてきたように感じがしていて、自分のやりたいことなどが具体的経験の抽象化によって明確になってきた(バックエンド、インフラ領域を楽しむ)ので、こういった螺旋階段を登っていくことで人生で成し遂げたいことを見つけられるのではないかという気がしている。
せっかく一度きりの人生を生きているのだから、一つ一つの具体的経験を正面から全力で立ち向かって、たくさんの感情を爆発させて抽象化することで強みや趣向など知らない自分を見つけたい。